米債市場は昨年ほどの好調見込めず、米利上げカギ

米債券市場は2015年も好調さを維持する見込みだが、2014年ほどの価格上昇は期待できない、というのが投資家の一致した見方だ。

バークレイズによると、償還まで20年超の米国債は2014年、リターンが27%に達し、上昇率が約15%だったS&P総合500種指数.SPXをアウトパフォームした。投資家は、極めて急な利回り曲線が緩やかになることを見込んで長期債を買ったが、想定通りとなった。

米国債やその他の米投資適格級債券をトラッキングしているバークレイズの米債券指数は、12月30日までの1年間のリターンが5.88%となり、2.02%のマイナスだった2013年から急回復した。

Tロー・プライスのポートフォリオマネジャー、ブライアン・ブレナン氏は「2015年はよりディフェンシブなアプローチをとるべき」と指摘。(米債券は)「明らかに値上がりしすぎ」との見方を示した。

<カギはFRBの利上げ>

10年物米国債利回りは2014年、80ベーシスポイント(bp)以上も低下し、31日現在で2.18%となった。経済が急激に悪化しない限り、15年も利回りが低下すると予想する向きは少数派だ。

2015年の米債券動向のカギを握るのは、米連邦準備理事会(FRB)が利上げに転じるのかどうかだ。ウォールストリートの大手銀行の多くは、FRBが2015年半ばごろ利上げする、と予想している。

バンガードのシニアエコノミストであるロジャー・アリアガ・ディアス氏は「FRBが実質ゼロ金利を継続する理由はない」と述べた。

このような利上げ予想を背景に、短期債は引き続き売られ、利回りは上昇すると見られる。問題は、長期債も追随するのかどうかだ。インフレ率の低迷や、世界経済をめぐる警戒感、米資産に対する需要の強さを踏まえると、長期債利回りの上昇は阻まれる可能性がある。

10年債利回りが2%に低下すると仮定すると、利息も含めたリターンはおよそ4%になると予想される。2014年は11%だった。

アナリストは、欧州や日本、中国の金融政策も米債券市場を左右する要因と指摘する。

日欧の中銀は景気刺激策をとると見られており、その場合、既に過去最低水準にある利回りが一段と低下、相対的に利回りの高い米債券市場への海外からの資金流入が加速する可能性がある。

<ジャンク債やインフレ連動債は苦戦>

ただ、米国の債券すべてが、長期国債と同様の高パフォーマンスだったわけではない。ジャンク債とインフレ連動債(TIPS)は2014年後半、原油価格の急低下の影響もあって深刻な不振に陥った。

ジャンク債の価格は2014年後半に5.61%下落し、TIPSの価格は2.33%下落した。バークレイズによると、14年通年のリターンはジャンク債が2.45%で、TIPSが3.36%となった。